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体内に有害物質が蓄積されていると、ホルモン療法の効果がダウンする? 河村優子医学博士インタビュー 【第3回】 

 

 

更年期の検査は産婦人科で血液検査をするのが一般的ですが、尿検査もおこなってくれるアンチエイジングクリニックや美容クリニックで検査すると、総合的なコンディションがわかります。

ホルモン治療をおこなっても効果が感じられないのは、実は体内に有害物質が蓄積され、治療が効かない体質になっているからかもしれません。

また、体の不調の原因が更年期ではなく、食事や生活習慣・ガンである場合も。

第3回は、渋谷セントラルクリニック院長の河村優子医学博士に、体内に蓄積される有害物質と成長ホルモンに関してお話しを伺います。

 



 

──日常生活において、体のために気をつけなければならないことは、どんなことなのでしょうか?

 

有害物質も成長モルモンに悪影響を与えます。

食品添加物や化学調味料、野菜に残っている農薬などは、成長ホルモンの分泌を阻害するのです。

 

──生活習慣の中で有害物質が蓄積されている方も多いのですね。デトックスする必要があるのでしょうか?

 

有害物質が体内に蓄積されているようであれば、デトックスしたほうがいいですし、できるだけ摂取しないように心掛けると良いと思います。

例えば、食べ物はなるべく農薬を使って育てられていないようなオーガニックのものを食べるようにするとか。

よく、「なぜ、オーガニック食品が体に良いのか? 流行だから? スタイリッシュだから?」と思われている方もいると思いますが、農薬などが体に蓄積されることで、ホルモンの分泌が悪くなるので、オーガニックの食べ物が良いのです。

 

──なるほど。

 

大気汚染がひどい地域で育てられた野菜は、雨が降って土壌に汚染物質が染み込むので、根から汚染物質を吸い上げている可能性もあります。

 

──産地に気を配り、農薬を使って育てられた食品かを気にしたほうが良いのですね。

 

はい。それだけでなく、化学添加物や化学調味料をなるべく摂らないようにしたほうが良いと思います。

ナチュラルハウスのような有機野菜を販売しているお店で、農薬を殆ど使わずに育てた野菜や化学添加物が含まれていない食品を手に入れることができます。

 

──魚のマグロの身には、水銀が残っていると聞いたことがあるのですが。

 

その人の体内にどのくらい水銀が蓄積されているかは、毛髪検査することで調べることができます。

私は静岡県の出身なので、私も父親も昔からマグロをたくさん食べていました。

始めて調べたときは驚くほど溜まっていました。(笑)。

意外な盲点として、水道水にも気を付けてほしいですね。

日本は水の基準は厳しいですが、水道管に関してはあまり厳しくありませんでした。

水道管の鉛が、水道水に含まれてしまっている場合があります。

特に古い水道管が使われている地域の方は、水道水を飲まれるは気をつけたほうが良いですね。

対策として、性能の良い浄水器を使用されることをお勧めしています。

 

 

 

 

──性能の良い浄水器をつければ良いのですね。

それなら、直ぐに試すことができますね。

 

最近は何でも検査できる時代ですよね。

ビックリしてしまいます。

 

──有害物質の体内蓄積検査をして、なるべく自分の体から有害金属を排除するようにすれば、更年期でもホルモン補充方法が効く体にすることができるというでしょうか?

 

そうです。自分の体の中の細胞に、どのくらいの悪いものが入っているかを知っておくことは、大切だと思います。

よく毛髪検査で「体の中に水銀がこのくらいありました」と言われますが、実はそれは細胞の外にある有害物質の数値なのです。

大切なのは、細胞の中にどうくらい有害物質があるかという点。

当院で行われている特殊な尿検査は、人間の一つ一つの細胞の中にある、有機溶剤や化粧品などがどの位なのか分かるのです。

プラスチックは特に気を付けたい有害物質です。

サランラップで包んだ食品を電子レンジでチンしたものを食べている方は、体内にプラスチックが溜まっているケースが多いですね。

 

──細胞の中に有害な物が溜まってしまうのですね。怖いですね。

 

例えばサプリメントをたくさん飲んでも、細胞の中に取り込まれないと意味がありません。

神経伝達物質などの不足に関しては、採血検査だけではわかりません。

尿検査まで行うと、腸内環境までの大体のことがわかります。

 

 

 

 

──更年期の検査として一般的に行われている血液検査だけでなく、尿検査まで行うとその方のコンディションが総合的に分かるのですね。

 

そうです。当院でこのアンチエイジング検査を始めて約1年ですが、血液検査と尿検査で大体のことがわかります。

がんに関しては遺伝子の変異の段階でがんの早期発見ができる、遺伝子検査をお勧めしております。

国立がんセンターや国立大学でも、血液による遺伝子検査でがんの発生のプロセスを調べる方法を研究しています。

当院ではこの検査は約120,000円ですが、だんだん多くの人が検査出来るように安価になってくれば、早期の中の早期がんの発見と言うことが一般的になってくると思います。

検査受けて、結果を見て反省して生活習慣を正す人もいれば正さない人もいます。

検査を受けるだけではダメなのです。生活習慣から改善していくことが大切なのです。

 

──根本から原因を取り除くことで、健やかな体を手に入れることができるのですね。

 

老化の進行は人それぞれ違います。

30代で閉経する人もいれば、55歳位でもまだ生理がある女性もいます。

女性ホルモンの分泌がほぼゼロになってしまっても、成長ホルモンは分泌することができます。

成長ホルモンは、最適な機能を失った古い細胞に対して、細胞の修復をしたり、新たに成長させたり、若返りに重要な影響を与えるホルモン。

ごく稀ですが、80代でも20代の成長ホルモンレベルを保っている人もいます。

ケアの仕方によっては可能なのです。

逆も然りです。20代でも80代の成長ホルモンレベルの人もいます。

成長ホルモンが不足している人は、見た目に影響が出ます。

ハリやシワ、眉毛が薄い、唇が薄い、大きなシワも成長ホルモンの不足により現れる症状です。

目がショボショボしたり、まぶたがたるんだりもします。

眼瞼下垂の手術や二重まぶたの手術、美容注射として唇にヒアルロン酸を注射しますが、これも成長ホルモン不足によるものです。

 

 

 

 

──エストロゲンの減少も細かいシワが出るとの事でしたが、成長ホルモンが不足すると大きなシワが出てきてしまうのですね。

 

それは両方が影響しているのでしょう。

歳を重ねるとほうれい線が気になるので、ヒアルロン酸注射を打つ方がいらっしゃいますが、ほうれい線には直接注射をしません。

不自然にピンと膨らんでしまうので、海外のセレブたちは頬の下あたりにヒアルロン注射を打って、ほうれい線を引き上げています。

 

──ヒアルロン酸注射を頬に注射すると、自然にほうれい線が目立たなくなるのですね。

ほうれい線もホルモンが少なくなってくることによって起こる症状ですから、見た目のケアも更年期治療の一環なのですね。

 

ヨーロッパでは、ボトックス注射やヒアルロン酸注射によるケアは一般的です。

手の甲にヒアルロン酸注射を打つ方もいます。

見た目を美しくするのはいろいろな方法がありますが、肌質はやはりホルモン療法や栄養の見直しが効きます。

 

更年期の症状は検査で原因を調べることでより、楽に過ごすことができる場合もあるということは、多くの女性にとって朗報だ。

更年期の症状だと思って我慢をしていたら、副腎疲労によるプチうつだったというケースがあることや、食事が原因で不調を感じるということ、知らないうちに有害物質が体内に蓄積している人が多いということは、驚きです。

第4回では更年期ケアは女性ホルモン補充だけでなく神経伝達物質や甲状腺ホルモンなどのバランスを整えることが重要だというお話を、第5回では今お話に出てきましたホルモン療法、特に一般の産婦人科ではおこなっていないナチュラルホルモン補充についてお話しして頂きます。

 

文:北川りさ イラスト:町田李句

 



 

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更年期の強い味方!アンチエイジング検査とは? 河村優子医学博士 インタビュー【第6回】 

 

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
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PROFILE

河村 優子

河村優子 医学博士
渋谷セントラルクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本レーザー医学会認定医、特定認定再生医療等委員会 委員、FTP認定マットピラティスインストラクター、日本女性医学会会員、加圧トレーニング特定資格指導者/日本キレーション治療普及協会認定医。患者の目線に根差したフレンドリーな診療が評判。

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