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現代美術家 渡辺篤が、ひきこもり生活を送る人々の部屋をテーマにした写真集が話題に!

 

 

アーツコミッション・ヨコハマの助成採択案件の一つ、 現代美術家・渡辺篤の「アイムヒアプロジェクト」は、 ひきこもりの方々に協力を呼びかけ、彼らが自ら撮影した部屋の写真を集め、 その写真集を出版するというプロジェクト。

約160枚の写真が集まり、 2019年2月16日に写真集が出版される。 これまでも渡辺は自身のひきこもり経験をテーマにしたアート作品を発表してきた。 

 

 

現代美術家・渡辺篤が中心となり、  深刻な社会問題(国内だけでも150万人超と言われる)にもなっているひきこもりにまつわる問題に対し、 新たな当事者発信の形を模索し、 当事者の尊重と社会への周知や問いを提示する企画。

 

 

 

 

今回、 ひきこもり当事者が自ら撮影した部屋写真をインターネットで募集し、 約160枚が集まった。

これらをデザイナーや写真家らとの編集作業を経て写真集を出版する。

 

 

 

 

渡辺自身も過去に、 足掛け3年間の深刻なひきこもりを経験しているが、 それを終える日に自身の姿や部屋を写真撮影した。

”ひきこもった多くの時間は決して無駄な時間などではなく、 きっとこの「写真作品」を撮影するために必要な制作期間だったのだ” と、 認識を切り替えて、 美術家として社会復帰した。

 

 

 

 

このプロジェクトは、 人生における困窮や自閉してしまった時間もまた、 クリエイティブな価値になり得る事を示している。

プロジェクト名の”アイムヒア”は、 ”僕は/わたしはここにいる”という意味。

 

 

 

 

 

【「アイムヒア プロジェクト」の目指すもの】

現代美術家・渡辺篤が中心となりプロジェクトを始動。

2018年8月から約3ヶ月間ひきこもりの当事者に向けインターネットで部屋の写真を募集。

約150枚ほどが集まった(2014年開催の同様企画の際のものを含む)。
このプロジェクトでは、 当事者の在り方を「写真という媒介」を用い、 ありのままに肯定をする(運営は、 当事者を写真家として見立て、 それぞれに撮影費を支払ってもいる)。

そこでは文章力も人脈も必要無く、 カメラの持つ、 ”そのままを写す”という機能を使い、 当事者にしか撮れない表現を作る。

シャッターを押して、 メールで送るだけ。 おそらくそこには少しの勇気と自己表現の意欲がある。

きっと、 ある人は怒りがあり、 ある人は客観視のきっかけを求め、 またある人は不動の日常に何らかの変化を期待して。

・当事者が、 自身の生活に風穴を開け再度社会と接続する事、 自身の今を客観視する事。

・社会が、 不可視の社会問題に気付き、 そこにある当事者性に意識を傾ける事。 そして、 排他性・搾取性・暴力性に自覚する事。 考える事。

・アートが、 社会と向き合い、 社会包摂としての現実的な作用を作り出す事。 アートにしかできない社会変革を作る事。

プロジェクトでは様々なクリエイターや福祉関係者・支援者、 財団のご協力やご支援の下、 こうした課題にアプローチしている。

 

▶︎「アイムヒア プロジェクト」ウェブサイト| https://www.iamhere-project.org

 

 

 

【写真集】

タイトル:「I’m here project

サイズ:B6
価格:1,000円(予定)
ページ数:48p(予定)
解説:天野太郎(横浜市民ギャラリーあざみ野 主席学芸員/札幌国際芸術祭2020統括ディレクター)
編集:アイムヒア プロジェクト
デザイン:川村格夫
フォトリタッチ・フォトディレクション:井上圭佑
発行者:アイムヒア プロジェクト(代表 渡辺篤)
英文校正:Sam Stocker
英文校正アシスタント:新江千代
助成:アーツコミッション・ヨコハマ

 

 

 

アイムヒア プロジェクト代表
渡辺 篤 | Atsushi Watanabe

 

【プロフィール】 
現代美術家。 1978年 神奈川県生まれ。
東京藝術大学在学中から、 自身の経験を根幹とする、 新興宗教・経済格差・ホームレス・アニマルライツ・精神疾患・セクシャルマイノリティなどの、 社会からタブーや穢れとして扱われうる様々な問題や、 それにまつわる状況を批評的に取り扱ってきた。
近年は、 不可視の社会問題でもあり、 また自身も元当事者である「ひきこもり」の経験を基点に、 心の傷を持った者たちと協働するインターネットを介したプロジェクトを多数実施。
そこでは、 当事者性と他者性、 共感の可能性と不可能性、 社会包摂の在り方についてなど、 社会/文化/心理/福祉のテーマにも及ぶ取り組みを行う。 社会問題に対してアートが物理的・精神的に介入し、 解決に向けた直接的な作用を及ぼす可能性を追求している。
作品発表以外では、 当事者経験や表現者としての視点を活かし、 「ハートネットTV」(NHK Eテレ、 2018年)などのテレビ出演や、 雑誌・新聞・webにインタビューや執筆多数。
アートのみならず、 医療や福祉のジャンルでの学会やシンポジウム登壇も行う。

 

【略歴】
2013 ひきこもり生活を終え、 美術家に復帰。 以後精力的に活動を続ける
2010 さまざまな居場所の喪失を理由に、 ひきこもり始める
2009 東京藝術大学大学院 美術研究科 絵画専攻(油画)修了
2007 東京藝術大学 美術学部 絵画科油画専攻 卒業

 

▶︎渡辺 篤 ウェブサイト| https://www.atsushi-watanabe.jp/ 

 

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
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