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枡野浩一のモヤモヤすっきり短歌 【第8回】

 

 

虫歯の治療のあと行った、腰痛の治療のための整骨院で風邪のウイルスに感染し、満身創痍にもほどがあるとモヤモヤします、という歌人の枡野浩一さん。8回目を迎える当連載は、題して「モヤモヤすっきり短歌」。忙しい日々の中で、悩みと呼ぶほどは深刻ではないモヤモヤを、あなたも抱えていませんか?

 

 

──この連載「モヤモヤすっきり短歌」は、悩み相談というほど大袈裟ではないものの、なんかモヤモヤするというエピソードをみなさんから寄せていただいて、それに枡野さんが短歌を捧げる、という企画です。

 

「はい。今回のモヤモヤは、反発の声もありそうですが、ある意味、とてもよくわかるモヤモヤでした」

 

●気持ち悪い異性からの好意にモヤモヤします

《マスノさんこんにちは。僕がもやもやしている事を聞いてください。
僕は5年くらい恋活をしていました。誰でもいいから彼女が欲しい…(だけどステータス的に無理!)という状態だったので、捨て身の特攻のような気持ちで、出会いを求めながら、出会いの界隈を探索していました。
そんなおり、職場 (バイト先です。)で、女の子に好かれてしまいました。その女の子が気持ち悪い女の子で、好かれると尚更、気持ち悪く感じてしまう。
僕も気持ち悪い男なので、気持ち悪いもの同士でくっつくのが正解なのでしょうが。世間的には。
僕は、その女の子の好意を感じながら、メールも電話も無視し続けました。そしたら、メールで告白されてしまいました。それも無視していたらTwitterで絡んでくるようになった。(しかも僕だけでなく、僕の知り合いにも絡んでくる。)きついです。
僕も女性に無視されたり、キツイ言葉を吐かれ傷ついたこともあるので、彼女のことを傷つけてはいけないし、無碍にしてはいけないと頭ではわかってるのですが、どうしても気持ち悪いと感じてしまって、結果的に無視してしまっている。
これは甘えでしょうか。これまでの人生で人と向き合ってこなかった報いを受けているのでしょうか。
その事を考えると、つい、もやもやもやもやしてしまいます。
なんか長いし、重いし、説教待ちみたいなメールになってしまった。申し訳ないです。
その女の子に知られると怖いので、ペンネーム適当につけて下さい。ラジオで紹介されても大丈夫です。》

(僕も気持ち悪い男さん)

 

──身勝手な男ですね。

 

「身勝手だけれど、これは男女どちらでもありうることだと思いました。皆、自分が美男美女でなくても、できれば美男美女と付き合いたいのです。むしろ美男美女でない人が好きという人も、美男美女を避けるという意味では、相手の容姿を気にしているのです。相手がタイプでなくても、嫌われるのが怖いから、はっきりと断わることもできないのです。わかるわかる。いただいたメールの内容を、そのまま短歌にしてみますね。詠みます」

 

写真:田形千尋  字と絵: 目黒雅也

 

▼歌人より一言
「このように短歌にすることで、あなたの虫のいい考えが、よりはっきり可視化されました。でもまあ、恋愛なんて、好きにすればいいんです。この世の色恋のほとんど全部が片思いですし。あなたのその、タイプでない人を好きになれないという切実な思いが、いつか彼女に伝わりますように。私の知り合いに、『本当に好きな人とは絶対できないようなことをする相手』をキープしている男がいますが、それはそれで大変そうです」

 

 

 

 

【モヤモヤ募集中!】 「みなさまのモヤモヤを募集しております。モヤモヤ話にペンネームを添えて、枡野浩一のメールアドレス(ii@masuno@de)宛に直接メールください。私から直接メールでご連絡します。とくにお礼もできませんが、モヤモヤするあなたの気持ちをすっきりさせる短歌を捧げます。将来単行本化するかもしれません、その点もご理解ください。短歌にすることはできなかったけれど、興味深かったモヤモヤ話の一部は、ご本人の許諾を得て、ポッドキャスト番組《本と雑談ラジオ》(https://youtu.be/IJ1GqYH3qP8)で紹介するかもしれません。こちらも、あわせて聴いていてみてください」

 

 

枡野浩一 YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/user/masunomasuno?sub_confirmation=1

 

ツイッター https://twitter.com/toiimasunomo/status/962192211503820801

 

名刺 https://masunobooks.com/

 

新刊 https://www.akaneshobo.co.jp/search/info.php?isbn=9784251011039

 

 

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編集・構成 MOC(モック)編集部
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PROFILE

枡野 浩一

枡野浩一(ますの・こういち)1968年東京うまれ。1997年『てのりくじら』(実業之日本社)他で歌人デビュー。短歌代表作が高校国語教科書(明治書院/大修館書店)に掲載中。短歌小説『ショートソング』(集英社文庫)は漫画化され、漫画版がアジア各国で翻訳されている。五反田団などの演劇出演を経て、44歳からの2年間、芸人事務所SMAに所属。【元相方たちは漫才コンビ「すっきりソング」として活躍していたがボケ担当が失踪。】『踊る!さんま御殿‼︎』で「踊る!ヒット賞」に選ばれたことがあるが、賞品はまだ受け取っていない。昨今は絵本を続けて刊行しており、イラストレーター目黒雅也との共著『しらとりくんはてんこうせい』(あかね書房)が発売中。

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