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人生100年時代のAI戦略! 技術立国日本の存在感を示したい。平井太郎氏インタビュー【第3回】

 

 

AIが人類の知能を超える「シンギュラリティ」が、遠くない未来に訪れると言われています。IT・データ解析サービスを展開する株式会社LIFAAの代表取締役、平井太郎氏によると「量子コンピューター」の完成が重要な要素だそう。さらに2020年東京オリンピックでAIに期待される役割など、人生100年時代に注目すべきキーワードが登場する第3回インタビューをお届けします。

 

 

量子コンピューターで世界は変わる…?

 

──一般的に「シンギュラリティ」と呼ばれますが、2045年にAIの発明が爆発的に伸びて人間文明に計り知れない変化をもたらすという予測がありますよね。それが早まることも十分い考えられるのかなと思うのですが、どうでしょう?

 

AIはコンピューターベースのものなんですけど、何かに特化すれば人間より全然優秀なんですね。囲碁や将棋とかそうじゃないですか。量子コンピューターが、一般的にはまだ出ないんでしょうけど、出来上がってきているので、一気にAIが加速して、成長する可能性はある。どれぐらい早まるのかという割合は一概には言えませんが、まぁ早まる可能性はありますね。

 

──量子コンピューターとは?

 

今コンピューターは0か1の組み合わせなんですね。するかしないかというのがいっぱい集まってコンピューターができている。

量子コンピューターは、量子力学や量子論のコンピューター。ここにあるかないかわからなけど、ここの存在確率が2分1だったり、4分の1だったりする。要するに0と1じゃないんですね。コンピューターにもそれを応用しようというものです。今までするかしないかだったのが、するかもしれないし、しないかもしれないし、どうかわからないよというのをいっぱい繋いで、コンピューターにする。

今まで、0と1しかなかったので、分岐が2通りだったけれど、量子コンピューターだと1個〜ほぼ無限に拡大できるんです。そうすると、計算がめちゃめちゃ早くなるんです。

 

──現段階のAIの課題はどこにあるのでしょう?記号着地のお話はありましたが、その他の課題はありますか?

 

めちゃくちゃ大量のデータから最適な解を求めるというのも、理論上はあるんですけど、もっともっとデータが増えると、どうしてもどっかに答えが偏ってしまうんですよね。

ピンボールは真ん中から落とすと、だいたい真ん中に落ちるんですけど、あれは左から落とすと結果が変わる。要するにインプットが違うと結果かなり違うんですね。それと一緒です。

バタフライ効果って知っています?中国の山奥で蝶々が一回パタパタと羽を動かしたら、日本の天気が変わるよという理論があって。要するに少しの事象が遠く離れた場所で影響が拡大して、訳が分からなくなるという理論なんです。

そうすると、先ほどの入力が違うとぜんぜん結果が違ってくるので、その入力の入れ方次第では同じ人工知能使っても、答えがぜんぜん違うので…難しいところですよね。

 

 

 

 

AIの注目トピックは「Q&A、言語翻訳」

 

──2018年、AIに関するニュースやトピックは何かありそうですか?

 

しばらくは東京五輪が来るので、AIを使った電話応答や言語翻訳でしょうか。

Q&Aに関してはかなり進化していると思いますよ。新たな質問に関してはまだ自己解決できないのですが、過去あった問い合わせを全部インプットすると、問い合わせ内容を自分で解析して、どの答えを返せばいいかという分類を行っています。企業にとってもメリットも大きいですし、問い合わせするユーザーとしても、すぐ24時間365日レスポンスが返ってくるので双方にとっていいですよね。

個人的には言語解析が今一番、目の前にあるAIの効果なのかなと思います。言語解析は、英語の方が日本語よりも全然簡単です。英語は単語がスペースで区切られているじゃないですか。日本語は区切られていないので、単語に分解するのが難しいそうなんです。でもだいぶ進んできましたよね。

 

──AIが発達すると一部の仕事が奪われると言いますが、コールセンターや翻訳関係が危ないと思いますか?

 

まぁ危ないけど、頑張ってとしか言いようがないですね(笑)。企業として、人を雇うという経営面でいうと、間違いなくそちらで任せたいと思うでしょうから。でも、AIもコールセンターの過去の蓄積したデータが必要なので、そのための教育機関とかを作ったらどうですか。そこでもともとコールセンターで働いていた人を雇ってあげればと思う。まぁそのあと仕事無くなりますけどね(笑)

 

──まとめに入りたいなと思います。平井さん自身はAIを学生時代から研究されていましたが、これからもご自身で携わっていきたいなとお考えですか?

 

個人的に時間があれば取り組みたいですね。面白いじゃないですか。五輪も近いですし、技術立国日本の力や存在感が示せればいいなと思います。

 

 

AIが成長すれば、私たちの未来の可能性だって広がる。まずは2020年、世界と日本をつなげる役割をしてくれそうです。そして人生100年時代の日本が、技術立国としてその存在感を大きくしていくことを願います。

 

 

写真:田形千紘     文:五月女菜穂

 

 

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編集・構成 MOC(モック)編集部
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PROFILE

平井 太郎

立命館大学卒業後、VSN株式会社に入社。様々な現場に出向しIT技術を学んだ後、フリーランスのエンジニアとしてソフトウェア開発業務に従事。2010年にデータ分析業務とソフトウェア開発に特化した会社、LHit株式会社を設立。2012年にLHit株式会社 代表取締役を辞任し、新たなIT・データ分析サービスを展開する為に、株式会社LIFAAを設立。

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