人生100年時代を楽しむ、大人の生き方 Magazine

今、居酒屋が危ない? アラフィフ流 居酒屋の愛し方、愛され方。

 

 

ちょっとここらで一杯、というときに重宝するのが居酒屋。

お酒とつまみに囲まれるあの空間こそ至福のひとときだと思うアラフィフは多いはず。

ところが最近、日本の居酒屋がひとつまたひとつと姿を消しているようで……?!

その原因は私たちの居酒屋愛が足りないからかもしれません!

居酒屋の非常事態についてお話を伺うのは、酔っぱライター・江口まゆみ氏。

「酒のためならどこまでも!」と日本津々浦々、世界各国の酒を味わってきた酒紀行家でもあります。

そんな江口氏に「居酒屋の愛し方、愛され方」やお酒でアゲる恋愛力について教わってきました。

日本酒やワインなどを片手にインタビューをお楽しみください!

 

 

 

 

──日本酒、ビール、ワインにウイスキー。ありとあらゆるお酒を嗜んできた江口さん。

数多くの酒席で飲んできたことと思いますが、「素敵な大人」の飲み方というと?

 

がぶがぶ飲まない人ですね。がぶがぶ飲まれると、引いてしまう女性もいますよ。

上品に、ゆっくりゆっくり飲むのが素敵です。特にジェントルマンは女性から人気!

 

 

 

 

──女性と楽しくお酒を味わいたいなら、男性はどんなお店を選ぶのがいいでしょう?

 

お店もきれいところが喜ばれます。せんべろ系でも、清潔でないお店はあまり好まれません。

そして、「古い」と「汚い」は違うということを理解しましょう。

清潔じゃない、トイレが汚い、ごたごたとモノが置いてある、ホコリがたまっている……。

こういうお店は女性が嫌がります。

 

──洋服の裾が汚れていないか気になりはじめると、お酒に集中できなくなったり。

う~ん、お店選びも大変だ!

 

下町っぽいざっくばらんなお店はOKです。

むしろそういうお店に行ってみたいと思っている女性はいますし、そういうお店に連れていってくれるのはオジサンなんですよ。

なかには「女性の来客はお断り」というお店もあります。

女性だけのグループ客でもお断りされることが。

男性と一緒だと入れる場合もありますから、男性に連れて行ってもらうしかない。

そういうお店を知っていて連れて行ってくれるオジサンは、ポイントが高い!

 

──自分では足を踏み入れられない領域を覗くことができるなんて胸がときめきますね。

 

なぎら健壱さんと何度か共演しているんですが、なぎらさんは女性が男性御用達の居酒屋に来るの反対派。

「男が猥談しているところに女性が入ってきたらしらけちゃうよ。居酒屋文化の危機だ!」って。

女性お断りには、そういう理由もあるのかも。

 

 

 

 

 

──あるかもですね(笑)。

ではいざ暖簾をくぐったら、次は注文ですが……。

 

居酒屋とはいっても、女性は食べたい!

飲むだけでは満足できません。

ところが男の人は食べない人が多いですよね。

ずーっと飲んでいる人もいるでしょ。

女としては『たたた、食べたいんですけど!』

 

──と、心の中で叫んでいるんですね(笑)。

自分基準の肝臓と胃袋で注文しては、相手の女性に不満ばかりが溜まってしまいそう。

 

お品書きを眺めながら「これも美味しいし、あれも美味しいよ!なんでも頼んでみなよ」と言ってくれる人と一緒だと楽しいですよね。

だけど現実ではお酒だけ飲んでいるオジサンは多いです。

なぜかというと、こんなことがありました。

ある年上の男性からお寿司屋さんに行こうと誘われたんです。

『お寿司?!』と嬉しくなって、そりゃもう期待しましたよ。

でもそのオジサンは「大将!海苔ちょうだい」と、海苔をパリパリ食べ始めて「やっぱり寿司屋の海苔は最高だね!」って……。

年齢を重ねて食が細くなっていたというわけなんです。

私からすると、『いきなり海苔?!ちょっと~!』とガッカリ。

 

──お酒のアテに海苔は相性抜群ですが……、それはショックかも。

自分から高級ネタを注文するのも気が引けますし。

 

女性が飲むなら、やっぱり食べ物が美味しくないと!

お酒も大切なんですけど、食べ物は大事です。

 

 

 

 

──オジサンのなかには何を話せばいいかわからなくて、ついお猪口で口を塞いでしまう人もいると思うんです。

女性はどんな会話だと気分がアガりますか?

 

話を聞いてくれる男性がいいですね。自慢話で「俺が俺が」という男性は多いですから。

それから、お酒のウンチク語り。

私はお酒の話が好きですけど、引いちゃう女性は多いかな。

だけど女性もご馳走してもらっているならニコニコ話を聞きましょう!

 

──盛り上がる話題はなんでしょう?

 

食べ物やお酒の話ですね。「この間、美味しい酒を飲んでね……」みたいな。

あとは旅行ネタ。

「こんなところを訪れたら、いいお店を見つけたよ」「旅行に行って面白いものを見てきたよ」など広い話がいいです。

反対に、仕事の愚痴とかは広くないのであまり楽しくなりませんね。

 

──「俺、最近忙しくてどこにも出かけてないし、美味しいものも食べていない」ではダメ。

趣味があってアクティブに人生を楽しんでいる男性と飲むのは楽しそうですもんね。

 

たとえば私だったらスポーツの話。

あまりスポーツは興味ないんですが、この前サーフィンの話を聞いてすごく面白かった。

知らないからこそ楽しい!

 

 

 

 

──自分の人生の幅を広げている男性ですね。

いかにもモテそう!

 

ですが人間、顔じゃないんですよ。

 

──女性でそう言う人はいますけど「いやいや顔でしょ?」と疑ってしまう……。

 

いいえ、清・潔・感!ポイントは髪型とヒゲです。頭がボサボサだったら、ちゃんと梳かして来い!ヒゲも整えましょう。

むさくるしいのはダメです。顔の造作じゃないのよ、うん。

……でも、私もお酒が入るとオジサン体質になりますから、人のことは言えないかも(笑)。

 

──居酒屋に溶け込めるじゃないですか!最高ですね。

江口さん、普段はどんなお店で飲みますか?

 

行きつけのお店は立ち飲みだったりします。エリアでいうと新橋。

あとは銀座や六本木。赤羽や十条も面白そうなので、これから行ってみたい。

 

 

 

 

──せんべろで居酒屋ブームが起きましたが、実際に最近の夜の街を歩いていると居酒屋文化の危機を感じませんか?

「あれ?あのお店がもう閉店してる?!」なんてしょっちゅうです。

 

まさに危機です。いい居酒屋が消えちゃって、名店がどんどん閉店しています。

後継者問題も多いので、チェーン店が増えて個人店が減っていますよ。

 

──後継者問題のほか、どんな背景があるのでしょう。

 

居酒屋ブームで人が多く来るようになるのはいいんですが、「店には店のルール」がちゃんとあるということが伝わっていません。

たとえば、私は以前SNSでこんなやり取りをしたんです。

「居酒屋の常連さんは席が決まっているんですか?」「そうですよ。知らないんですか」この私の回答が炎上しちゃった。

「そんなお店があるのか」「知らなかった!なんでだ」「そんなルールがある店には行かない!」「そんな店、潰れてしまえ!」こういった反発が多くて、私はとってもびっくりしました。

 

──ルールというと、内容は?

 

常連さんの来る時間や座る場所って、結構決まっているんです。

初めてお店を訪れるなら、そういったことも考えて、控えめにしていればトラブルはないと思います。

「いらっしゃいませ」と声をかけられたのに、返事をしない、目も合わせない、ドカッと席に着く。

こういうお客さんは嫌われますよね。

実際にマイルールを持っている個人店は多くて、新規客が傍若無人に振る舞うことに困っていますよ。

 

 

 

 

──ラフにのみたいなら立ち飲み、緊張感がほしいなら寿司屋。

お店ごとに特徴がありますから全部が一緒くたじゃなくていいし、お店がルールを敷いていてもいい。

むしろその緊張感すら楽しいですよね。

 

そうですよね。「水だけ」を頼む客が多くて、ついに水が有料になったお店もあります。迷惑な話です。

 

──居酒屋はお酒を頼まないお客さんは追い出されることも昔はよくありましたよね。

 

酒屋ですから!せめてソフトドリンクくらいは頼もうよ!

「僕は焼き鳥だけ食べればいいです」じゃないでしょって。

お店のルールを無視してドカドカ入り込み、自分の家のように振る舞う人がたくさん来ると酒場が荒れちゃう。

厳しい店ではそういう人は追い出されていますけどね。

 

──そのあとSNSで叩かれてしまったり……。

 

断られた人はなんで追い出されたのかよくわからないから、悪口を書くんです。。

 

 

 

 

──悪口を書くのは簡単ですが、そのお店が築いてきた歴史や文化が置いてきぼり。

 

「ルールがあるなら張り紙しておけ」という声もありますが、そういうことじゃないんです。

昔は先輩が連れてきてくれて、若者にルールを教えてくれていました。

でも酒場のルールを知らない人は、やらかしちゃう。

今はネットで情報だけを得て、ドカドカとやって来る。酒場のオジサンたちが困っていますよ。

 

──「美味しいな~。楽しいな~」と思える居酒屋って天国ですよね。

これからの時代は客が居酒屋を守らないと!

そうだ、『居酒屋重要文化財リスト』を作ってみては?

作るとしたらどんな情報を盛り込むのがよさそうでしょうか。

 

「このメニューが美味しかった」「〇〇円でした」というような情報はブログなどインターネット上に溢れているんですけどね。

「このお店の店主の目の前の席は座っちゃダメですよ~。

常連さんの定位置ですよ~。ここの店主を怒らせると追い出されますよ~」などの情報は欲しいですよね。

お店側は書いてほしくないのかな?!

だけど誰かがやらないと、居酒屋文化の危機が進んでこのままではマズイんじゃないかと思うんです。

 

──40~50代のオジサンが若者に居酒屋の作法を教えるのもいいですよね。

上から目線ではなく、あくまで楽しいお酒で。

 

傍若無人に振る舞う客がいても、お店の人はなかなか言えませんからね。お店を困らせる人を目にしたら「それは違うでしょ」と言うとか。そういうことが必要なのかもしれないですね。

 

 

 

 

現代日本に忍び寄る居酒屋の危機。

緊急事態を救うことができるのはアラフィフの皆さんかもしれません。

お酒との付き合い方を考える際は、いつもお世話になっている居酒屋にも思いを馳せてみてはいかがでしょう?

美味しい一杯を心ゆくまで楽しむために、大切な空間を守りましょう!

次回インタビューでは、暑い夏オススメのお酒の飲み方や江口さんが感動した地方の名店居酒屋をご紹介します。

 

写真:横山君絵 文:MOC編集部

 

 

 

 

 

飲みたい食べたい酔いしれたい! 酔っぱライター太鼓判! 岡山、高知、札幌のオススメ居酒屋!!

 

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
人生100年時代を楽しむ、
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PROFILE

江口 まゆみ

酒紀行家。「酔っぱライター」として世界の地酒を飲み歩く旅をライフワークとし、酒飲みの視点から、酒、食、旅に関するルポやエッセイを手がける。
これまでに旅をした国は20カ国以上、訪ねた日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキーのつくり手はのべ300カ所以上にのぼる。
SSI認定利酒師。JCBA認定ビアテイスター。JSA認定ワインエキスパート。

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