人生100年時代を楽しむ、大人の生き方 Magazine

若者よ、君たちを信頼してる。ジジイたちよ、世の中の役に立とう。高須克弥氏インタビュー【第3回】

 

 

Twitterで日々ご自身の考えを発信している高須先生は、世代の壁も越えてコミュニケーションをしています。70代を迎え、現代日本の若者の中にどんな未来を感じているのでしょう。さらに、若者よりも元気いっぱいな高須先生ですが、溌剌と人生を楽しむ秘訣とは一体?

 

 

――現代ではネトウヨという言葉が浸透するなど、政治的な信条を問わず「自分の国を愛している」と気軽に言いづらい世の中です。高須先生が育ってきた時代とは異なるようですね。

 

異常な状況です。世界中を見渡しても、国旗と国歌に敬意を表さない国ってないですよ。

日本国民の意識がゆっくり替えられたんだ。僕らが子どもの頃は、祝日には必ず学校で国旗を掲揚していた。君が代を歌うのも当たり前。

今の日本を考えてみると、ほぼ植民地のようなものだということです。植民地は宗主国に敬意を示さなきゃいけないでしょ。自国よりも宗主国が大事。たとえば大英帝国統治時代のインドとかそうだったよね。

アメリカでさかんなロータリークラブってあるでしょう。ロータリアンが来日して会議すると、アメリカ国歌が流れるわけ。もちろんアメリカ人は胸に手を当てて高らかに歌う。でもバカみたいなのが、その真似をしてる日本人。おいおい!今、流れているのはアメリカの国歌なんだから「アメリカさんはこうするんだ、じゃあ自分たちも……」じゃないでしょうが。

 

 

 

 

――う~ん……。でも生まれたときから「戦争反対!」が当たり前の世代からすると、戦中の価値観に対しては少なからず抵抗感を抱いてしまいます。愛国心への抵抗感もそこからの影響があるのかもしれません。

 

自分の国を愛さないように歴史を教えることは難しいんですよ。

そういった教育をみんなが疑問なく信じるようになったことは、ある種の人にとって成功なんだろうね。世界的にみるとこういう教育はうまくいかないんだよ。日本だけ特殊。

だって、大体の人は、つい自分の国を愛しちゃうもん!

 

 

 

 

――「つい」ですか(笑)。

 

それと発展途上国ほど国旗に忠誠を誓う!日本でも戦後の十年間は、新しい教育がそれほど浸透していなかったけど、徐々にみんな疑問を抱かなくなった。

日本に入り込んださまざまな細胞がうまく成長したんだろうね。スリーパーセルズたちがさ。政治の中枢だとか様々なところに、入り込んだ細胞が分裂していった。いろいろな社会に転移していったけど、流石に退治しないといけないよ。だって日本にはスパイ防止法がないからね、やりたい放題。

それでも教育や考え方って、受け止められ方が変わるものだよ。たとえば中国。マルクスレーニン主義が発展して毛沢東思想が成立しているけど、あれって一度は完璧に否定されたじゃない。それがまた復活してきている。スターリンもそう。一度否定されたって、都合がいいところでまた復活するものなんだ。僕が好きな東条英機だって、いつの日か再評価されるのを信じてる。

そうそう、国連は名前を変えたらどうかな。だってソ連も中華民国も解体したよ。常任理事国が解体されたんだから、国連だって解体すればいいんじゃない?

 

 

 

 

――高須先生はツイッターの投稿がさかんですね。いろんな世代とコミュニケーションされています。

 

僕はついこの間、77777回目のツイートをしてたんだ。自分では気づいていなかったからその瞬間を見逃したんだけど、すかさずスクリーンショットで残してくれる人がいて嬉しかったなぁ。

ツイッターはリアルタイムだから面白いよね。僕のツイート、全部「なう」って書いてあるでしょ(笑)。テレビとかでも言いたいことは言えるんだけど、報道してくれないもん。ぜ~んぶ編集されてる。ニコ生(ニコニコ生放送:リアルタイムで配信されるネットライブサービス)みたいなのが一番信用できる。編集しちゃいかんよ、切ったところが一番面白いんだから!

FaceBookもインスタグラムもつまらんね~。「今日これ食べた」とか見せ合って何が面白いの?みんな文章を書こうよ!ツイッターをしていると、なかなか鋭いところを突いてくる人を発見するんだ。そういうのが僕には面白い。

今の若者って目覚めてきているよね。特にネット民は期待できる。あ!でもSEALsはちょっと特殊。SEALsはよくないジジイの言うことを真に受けちゃったんだろうねぇ。世代交代が進んでいくと右が増えてくるんじゃないかな。ま、僕もジジイだけどね!

 

 

 

 

――「最近の若者は」から始まるネガティブな言い回しはよく見かけますが、高須先生は若者にどんな期待をしていますか?

 

若者に伝えたいのは、マスコミの言うことは信じちゃだめだよってこと。あれはジジイが作ったものです。君たち若者の方が正しいんだ。

国を愛する、家族を愛するって、本能ですよ。動物は生きていくために自分の体を労わるけど、その感覚に近いと思う。「自分の体を捨ててでも、隣の誰かのために尽くそう!」なんてバカなことを言わないでよ。アメリカを見てごらん。オバマが掲げていたことは綺麗事で、トランプの言っていることが本当だと思ったから、トランプが選挙で勝ったんだ。

さて、君たちにとって「本当」は何かな?

 

 

 

 

――2016年アメリカの大統領選挙は先が読めませんでした。今の時代は強いリーダーを求めているのでしょうか。

 

平和な時代って、リーダーが強くなくても成り立つよね。徳川の将軍がどんなでも、幕府はちゃ~んと安泰だったでしょ。だけどキナ臭い時代は優れたリーダーがいないと国が亡びる。

今の世界情勢はすっごい危ういよね。いつどこの国が攻められてもおかしくない。シリアも近いうちにアメリカに攻撃されるかもしれない。そんなことになったらロシアが黙っていないでしょう。トランプ大統領は、自ら攻撃すると表明してる。それってつまり、もはや代理戦争ではないということだもんね。

歴史には分岐点がたくさんあるんだ。ちょっとしたボタンの掛け違いによって、進む方向は変わってしまう。アメリカが負けることだってあるかもしれないよね。今なら勝つんだろうけど、これからはわからなくなってくるよ。北朝鮮が勝つことだってありえないことじゃない。死ぬ気で戦うのが北朝鮮の意気込みたいだし。

日本の政治家って、自分の任期まで何もなければいいという考えを持っているよね。バトンタッチして年金暮らし。

中国の習近平は違うタイプ。永代独裁者みたいなものだから責任をとり続けていかなきゃならない。ジンバブエの大統領みたいになっちゃうのかな。それにしても、習近平が認知症になったら止められる人っていると思う?老いは誰にでも訪れるものだよ。

 

 

 

 

――情勢が危ういと強いリーダーが求められるものの、それだって永遠ではありませんね。

 

日本は、越後長岡藩みたいに軍制を整えたらいいんじゃないかな。日本は独自の路線を行く、そのための力を付ける。

外国に対抗する手段でいうと、原爆を持つのがてっとり早いんだろうね。そうするとしたら地下にシェルターを作って要塞化する。スイスってそうだよね、ハリネズミみたいなの。あの国は、スイス国民全員が入っても余裕があるくらいの居住施設、十分な備蓄食料が地下にある。核戦争を想定して準備を整えているんだよ。

名古屋もそうだった。日本で初めて本格的地下街を作ったのが名古屋です。「ナゴヤ地下街ナンバー・ワン♪」という歌もありますよ。

名古屋を走る「100m道路」は滑走路にもできるくらい広い。お寺やお墓は、全て名古屋市外へ移転させたから、市内にはお墓がないの。空襲で燃えたときチャンスとばかりに、名古屋は近代都市に生まれ変わった。当時の、ね。その結果、今や名古屋は緑の少ない時代遅れの街になっちゃった!

 

 

 

――これからは「人生100年時代」とも「一億総活躍時代」とも呼ばれています。歳を重ねても生き抜く力が必要になりそうですが……

 

僕ね、こんなに長生きするとは思ってなかった!60歳くらいで死ぬと思っていたの。こんなに生きてどうしようかな~という感じ。

本来、生物は自分の力で生き抜くもののはずなんだ。野生の動物はそうでしょう、歩けなくなったら土に還る。さて、思うように歩けなくなった人間はどうする?生きたいよね。手術してみるのもひとつの方法だね。楽だからって車椅子とかに頼ってばかりじゃダメだよ、動かさないと体は衰えちゃう。

僕はこうも思う。サバイバルしようだなんて意気込まなくていいんだよ。定年しちゃおうよ!60歳とか70歳とか、定年する年齢をはっきり決めるんだ。

定年になったら自然にまかせる。不自然な延命治療を止める。ただし、国に対して功績がある人には定年執行に猶予を与えるの。国や人類にとって役立つ人間を対象として、定年執行まで5年、10年延長とする。国家の頭脳であるとか、その人しか継承していない技術を持っているとか、そういう人材。ほかにはそうだなぁ、自衛隊に志願するのはどう?国を守るために働いた人には、お金をあげないけど定年の猶予をあげる。
僕の友達に、アメリカに移住したSという奴がいるんだ。ある日、そいつから電話がかかって来たんだ。「日本を救う方法を考えついた。定年すればいいんだ!70歳を過ぎて生きていてもいかんぞ」って。

「お前も俺も73才だよ。まずお前からだな」って言ってやった。するとSは「俺はアメリカ人だからいいんだ」とふんぞり返る。けしからん奴だ。

 

 

 

 

――賛否両論となりそうな提案ですが、定年制によって財政などの課題を解決しようという意図でしょうか。

 

一瞬で解決だよ!年金問題とか医療費の圧迫とか軽くなるよ。もっと自然に任せていいと思うんだ。手厚い介護をするから寿命が延びるんだ。

医療に対する国の方針がまた変わってきているよね。最近は高度な治療から在宅介護へシフトさせようとしているのかな。

いっそ医療保険を崩壊させて、昔に戻すのがいいんじゃない。医者は年末に医療費の回収をする。払えないと言われたらもう諦めるの。清貧な医者って尊敬されるよ~。そうそう、「尊敬」ってすごく大事なことだよね。頭にくるのが、生活保護をもらいながら医者に罹って、それでいて偉そうにする人!自分の力で生きて行けよ~。自助努力じゃん!

 

――叱咤激励をする一方、財団の設立やチベットでの医学生支援など援助活動も惜しみませんがその真意は?

 

だって彼らには尽くしがいがあるもん!僕は図々しい人間が嫌いなの。だから瀬戸内寂聴さんのことも苦手。偉そうに恋愛について説教するでしょう。空気を読めない人だよね。天台宗って戒律が一番厳しいはずで、そのトップクラスの立場にある人なのにさ。織田信長の時代だったらまず最初に目を付けられるのは彼女だと思う。

お経を読めないのに薙刀を振り回す武装集団を、織田信長は焼き討ちにした。偉そうなことを振りかざしてみんなからお金をとって、自分は昼間から酒を飲んで肉を食う。

自分さえ気持ちよければいい、というのは違うんじゃない?それも悟りのひとつかもしれないけど、まだ僕はその境地に辿り着いてないよ。

 

 

 

――高須先生ならではの境地を切り拓いているように思いますよ!70代に突入し、さらに人生を謳歌されている高須先生が最近「生きていて楽しい!」と思う瞬間を教えてください。

 

人の喜ぶ顔を見たときだね。人の喜ぶ波動が僕に伝わってくると、僕は同じように嬉しくなる!

僕なりにいろいろ言いたいことを言うけど、ジジイの考えてることって過去の知識の集積みたいなもので、道が限られているんだ。

その点、若者たちは違う。僕らジジイには考えもつかない発想で、ものすごい道を切り拓いてくれる。「僕を含めたジジイのたわごとには耳を傾けなくていいんだよ。君たちを信頼しているから、いいようにやりたまえ」というのが、僕からのメッセージです。

 

 

執刀直後にも関わらずインタビューに応えてくださった高須先生は、疲れを感じさせず終始笑顔を見せてくれました。本音を言いたいということは、他人の本音を聞きたいということの裏返し。高須先生の言葉には、いつだって期待と信頼が込められている。今一度、他者や国家などあらゆるものとの本気のコミュニケーションについて考えてみてはいかがでしょう。

 

 

写真:田形千紘     文:鈴木舞

 

 

 

 

YES!炎上、NO!欺瞞。言いたいことを言うのが僕だ。高須克弥氏インタビュー【第1回】

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編集・構成 MOC(モック)編集部
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PROFILE

高須 克弥

日本の美容外科医。医学博士(昭和大学、1973年)。美容外科「高須クリニック」院長。
愛知県生まれ。東海高校、昭和大学医学部卒業。同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。「脂肪吸引手術」を日本に紹介し普及させた。江戸時代から続く医師の家系。格闘技K-1のリングドクターとしても活動している。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。藍綬褒章を受章。

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