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フィフィ氏「女性のみなさん、自分で自分の足を引っ張らなくていいんだよ。人生、成長して生きていこう」インタビュー【第3回】

 

 

エジプトで生まれ、幼少時代に日本に移り住んだフィフィさんは三姉妹の次女だそう。第3回目となるインタビュアーでは、フィフィさんに日本における女性の社会進出についてご意見をお聞きします。リケジョ、介護問題、夫婦別姓。人生100年時代、日本の女性の生きる道はどのように伸びていくのでしょう。

 

 

──女性が仕事と育児を両立する場合、日本は生きやすい社会ですか?

 

何が生きづらくさせてるかっていえば感覚。産休や育休制度は整ってるのに、制度を使えない雰囲気や風潮です。女が家事も育児も介護もやるって風潮がある。女性が輝く社会を目指すのもいいけど、この風潮を変えなければ女性のやることが増えるだけ。介護なんてまさにそう。自分の親のみならず相手の親の介護も、介護は女の仕事って風潮があると思う。いっとき“リケジ”ョがもてはやされましたけど、海外だと文系と理系のパーセンテージは男女同じくらい。日本は極端に理系に女子が少ない。他に政治家に女性が少ないのは、口うるさい女はモテないから。これホントなんだけど、政治の話をすると友達減るんですよ。飲み会で女性が政治の話をするとしらけるし、パンケーキの話をするような可愛くてほわーんとした女性がもてる。そういう風潮なんですよ。最近18歳から選挙に投票できるようになって、これから高校カリキュラムに政治の比重が増えてくるだろうから、あと何年か後には変わってくると思います。政治を様々な角度から見る面白さをわかる子たちが増えてくるはず。

 

──意識の問題が女性の社会進出を阻んでる?

 

いくら制度を変えようが、意識が変わらないとダメ。世間が作った基準に合わせようとしているのは日本女性だけ。日本女性は自分で自分の足を引っ張ってるんです。

 

──女性自身が意識を変えていかないとダメってことですか?

 

はい。男性がそこまで女性の社会進出を阻んでるとは思えないです。中にはいるかもしれないけど、そういう男はモテないから(笑)。

 

 

 

 

──以前、夫婦別姓についても語っていらっしゃいましたよね?

 

日本では相手の男性と同じ苗字になることに喜びを感じる女性がまだまだいます。海外はそういう感覚ないし自分は自分で変わらないと思ってます。日本女性は結婚して名字が変わり、離婚してまた名字が変わる。男性本位で自分の人生や環境が変わるんです。エジプトでは子供の名字は父親。母親は子供を産むことで子供と切っても切れない絆があるけど父親はないんです。女性は産めるから母親としての自覚が芽生えるけど男性にはない。だから名字を父親にするのは「お前の子供だよ」と自覚させ責任を負わせるため。エジプトでは離婚しても子供はその名字をずっと使います。離婚しても父親に責任を負わせるのと、どこの誰の子供かってことを子供にも自覚させるんです。それは子供の人権をちゃんと認めて、ルーツを大切にしているってことなんです。

 

──以前、ある学者が『同じ苗字になれば家族の絆が生まれる』と述べていることに疑問を投げかけていらっしゃいましたよね?

 

日本人って本質を見るより、まず形を重視しますよね。形を作るとそれで出来上がったと思い込む。エジプトでツアコンをやってた姉に聞いたんですけど、日本人旅行者ってエジプトで遺跡を見る時、とにかく写真を撮ろうとするんです。ヨーロッパ旅行者は、まず遺跡について質問するのに。お土産も日本人は一人が買うと他の人もみんな買う。これさえやっておけば安心!っていうのが日本人は強いんですよ。メディアも「これやっておけば流行に乗ってるよ」みたいに喧伝するし。だから果たして本質的なところを理解してるのかというところが疑問。家族の話に戻ると、同じ苗字になれば家族の絆が生まれた!と思っちゃう。でも絆ってそんな簡単に生まれるもの?お互いを本当に理解しているのかどうか、相手の本質を理解しているかどうかが重要ですよね。

 

──日本女性は以前より発言しやすくなってきていると思いますか?

 

思いますが、同時にワガママや勘違いも出てきてますね。あたしは生物学的観点から育児は女がすべきと思ってますが、男性が育児をサポートするのは当然です。それはお金でも家事でもいいんです。やっぱりお金あると違いますよ。お手伝いさん雇えるわけですから(笑)。日本は子供の人権が重んじられてない。新幹線でワイワイ宴会やってるサラリーマンには何も言わないのに、子供が泣いちゃって申し訳なさそうにしているお母さんに対してはチッとか舌打ちしちゃったりね。子供は親の所有物って考え方です。エジプトでは子供を社会みんなで育てていこうって空気があります。買い物にいくと、店の従業員が「カワイイ〜、見ておきますよ」なんて言ってくれたりして。それに比べると日本は社会とか地域で子供に関わっていこうというのがないんですよね。日本でも昭和の頃はそういう雰囲気がありましたけどね。今はお母さんたちも閉鎖的になってきて近所に助けあいのシステムがなくなり、頼れる人がいないから、ネットで見ず知らずのシッターを探したりする。プライバシーも大事だけど、コミュニケーションをもっと取らなくてはダメです。

 

 

 

 

──今後のフィフィさんのライフスタイルは?

 

息子が中学に入り楽になった一方で、今度は躾やら学校教育やら別の課題が出てきて、子育ては常に気を抜けないと痛感してます。たぶん息子が20歳になっても、ずっと気がかりでいるんでしょうね。でも母親として子供の成長を見守ることができるのは喜びです。

仕事では、私は今までなぜかサンミュージックお笑い班にいたんですけど(笑)。スギちゃんさんとか、竹山さんとか…。昨年班も変わりまして、そろそろ新しいことを始めたいと思っています。自分に様々な課題を課して、いろいろなことに挑戦していきたいです。4年前に本を出しましたが、それ以降は出してないですし。もう42歳ですから、今後は与えられたものをこなすだけではなく、いろいろなことを深く考えて活動し、その結果を形に残していきたいです。8年間芸能界にいますが、自分がどう成長してるのかよくわかってないんです。ただ、あたしはノっている時ほど、このままでいいのかって自信をなくすんです。でも最近ではそれが成長している証って思えるようになりました。あたしは今まで自分の出た番組を録画したことないし、ツィッターの反応は見ますけど、反省したことがなかったんです。でも今は番組が終わってから反省するようになりました。だって42歳にもなってるのに、すごく浅いものしか出てこないんじゃ、世間の共感も得られないし。ステップアップしなきゃっていうことに気づけただけでも良かったと思ってます。

 

──ご自身も出演してらっしゃいますが、ワイドショーはご覧にもなりますか?

 

はい(笑)。ただ海外にもワイドショーってありますけど、どのチャンネル観ても同じニュースが流れてるっていうのは日本だけです。時間帯によっては他の番組が選べないくらい各局同じゴシップを流して「主婦はこれが好き」みたいな感じがすると、「ちょっと主婦をなめてんな~」って思います。

 

──たとえば不倫報道を受けて会見を開くのを、どんなふうにご覧になりましたか?

 

おとこ気会見とかありましたけど、あれを見た時、奥さんを守るためというより思春期のお子さんを守るための会見だったんじゃないかって思いました。あたしがああいう立場だったら、やはり子供のことを真っ先に考えます。しかし不倫報道は多いですよね。きっと数字が取れるからたくさん時間を割いているんでしょうが、日本のマスメディアの価値やレベルをこれ以上下げないために、今後はもっと他のこともしっかり報道してくれることを期待しています!

 

 

日本だけの問題ではないですが、国民の情報リテラシーの低さが指摘される現代。よくあるツイッターの炎上騒ぎも、情報源の記事をちゃんと読んだり正確性を確認することなく、タイトルだけを読んで拡散する人が一定数いること、またアクセス数を稼ぐためにわざと煽るタイトルをつけるメディアにも批判が寄せられています。限られた文字数の中で表現することが得意なフィフィさんですら、過去に自身の息子が亡くなったと誤解され慌てる一幕がありました。タレントという立場で多くの人々にメッセージを発信し続けるということは、媚びない、ぶれない姿勢だけでなく、常に的確な表現も求められます。鋼のようなメンタリティの持ち主であるフィフィさんでも、もしかしたら落ち込んだりすることがあるのかもしれません。しかし、このインタビューの中で「意見を述べることには真剣ですが、賛同を得たいからやってるわけではないです」と答えて下さったフィフィさんのかっこよさに脱帽!また在日外国人でありながら、ここまで日本を愛してくれることは嬉しいの一言に尽きます。これからも(ご本人はそんな地位を望んでいないでしょうが)ご意見番としての揺るぎない地位を確立しつつ、タレント活動も充実させて、かっこいいフィフィさんであり続けてほしいと願っています。ありがとうございました。

 

 

写真:米田樹央 文:国府田美保子

 

 

 

 

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編集・構成 MOC(モック)編集部
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PROFILE

フィ フィ

1976年生まれ。カイロ出身。国籍はエジプト。
中京大学卒業。サンミュージック所属。
著書:おかしいことを「おかしい」と言えない日本という社会へ(祥伝社)

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