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オレオレ詐欺から被害者を守る術 それはあなたの「声かけ」です! 警視庁の特殊詐欺対策最前線!

 

 

オレオレ詐欺の最前線によると詐欺グループは高度に組織化され、犯罪成功率を上げるためのマニュアルも練られているそう。お金を奪うために精鋭化した詐欺集団が誕生しているのです。自分自身だけだなく、大切な人を詐欺から守るために、私たちにはどんなことができるのでしょう。今回も警視庁犯罪抑止対策本部の山上さんと三木さんに気になる疑問をぶつけてきました。警視庁作成の詐欺防止動画などと合わせて対策をご紹介します!

 

 

──詐欺グループから電話がかかってきたあと、お金はどんな方法で受け渡されていますか? タンス貯金、へそくり、銀行預金、キャッシュカード。私たちはさまざまな方法でお金を管理していますが……。

 

被害は現金とキャッシュカードで半々くらいの割合です。しかし近年はキャッシュカード被害が増加しています。

犯人側からすれば、現金を得るためには金融機関での引き落としが必要になるケースが多いんです。詐欺電話をかけたら被害者を銀行等の窓口に誘い出し、金額を指示して引き落としさせます。

しかし近年、金融窓口における詐欺被害の未然防止が増えてきました。被害者は「リフォーム代」などの名目で口座から引き落とすように犯人から指示されていますが、行員の方々が声かけをしてくれています。そのおかげでお金を引き落とす一歩手前にいた被害者が「これは詐欺だ!」と気づくことができます。

ですから、犯人としてはなるべく窓口には行かせたくない。現金の受け渡しよりも、キャッシュカードで振り込ませる方が犯人からするとリスクが低いんです。もしくはキャッシュカードそのものを受けとってから、犯人側がATMを使って全額を引き落とす。

 

 

 

──現金あるいはキャッシュカードを奪う手口では、「受け子」と呼ばれる犯人グループの一員がブツの受け取りにあらわれるそうですね。

 

まずは手口の例を警視庁作成の動画でご覧いただけると嬉しいです。

 

 

庁「キャッシュカードをだまし取る手口をシンデレラが紹介するよ!」

 

 

──あれ、動画のテイストが警視庁っぽくない! シンデレラの手助けにより、継母はキャッシュカードを奪われずに済みましたが(笑)、詐欺だと気づかずに警察官を騙る「受け子」が家に来るのを待つ場合、どのような展開が訪れるかというと……。

 

背広・革靴・清潔な男(受け子)が登場! まるで私服警察官のような出で立ち。

受け子「こんにちは。お電話でご説明しました〇〇警察署の者です」

継 母「待ってましたよ。手続きには暗証番号が必要なんですってね。

暗証番号は△〇〇△ですので、よろしくお願いします」

犯人グループがキャッシュカードを使いATMで「全額引き落とし!」

 

 

 

 

──受け子は「見るからに怪しげ!」な外見をしているわけではないのですね。

 

私服や背広を着ていることが多いです。その瞬間に受け子が偽物であると見破ることができるかというと……。

受け渡しの方法も多様化しています。対面せずに受け渡しが完了する「非接触型」もあります。たとえば「キャッシュカードは郵便ポストに入れておいてください」と犯人から電話で指示されたケースもありました。詐欺グループもあらゆる可能性を警戒し、さまざまな手法を打ってくるのです。今のところ受け子として少年など若い世代の割合が高いです。

 

──電話の話術は巧妙で、受け子は至って普通の人に見える。「訴訟」や「還付金」などの揺さぶりで動揺した心理状態では、つい騙されてしまうかも……。被害者への注意喚起のほか、どんな対策を実施していますか?

 

ATM対策ですね。見守りのないATMに誘導してお金を引き落としさせるケースが増えていますので、この対策は重要です。特に還付金詐欺でATMの悪用が多くみられます。

コンビニ対策ですが、電子マネーのかたちで財産を奪う手口がありコンビニで購入させる事件も発生しています。

警察官もコンビニの見回りをしていますが、店長さんに「不審な行動を見かけたときは声かけを」と協力をお願いしています。ですが課題はたくさんありますね。利用客が多い店舗では一人ひとりのお客さんに声かけするのは店舗の負担になってしまいます。外国籍の店員さんも増えていますから、声かけまでしてもらうのは難しいんです。

しかしながらコンビニでの詐欺被害未然防止は増えているんです。店員さんの協力もですが、一般のお客さんのご協力によるものもありました! 声かけの効果はとても大きいんですよ。

 

 

 

 

こんなにたくさん!「金融機関による未然防止状況(成29年12月末)」

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/tokushu/furikome/furikome.files/29prevention.pdf

 

 

──ニュースで時々、一般の方が詐欺を未然に防ぎ「感謝状」を贈られているのをみかけます。金融窓口でも高額の引き落としをしようとすると必ず名目を聞かれるようになりましたが、犯罪抑止の効果がそんなに大きかったとは。

 

被害に遭っていないお客さんからすると、自分のお金の使い道を探られているように感じられますし時間もかかるため、クレームとなってしまうこともあるのですが……。

金融機関の職員の方々には「この引き落としは詐欺じゃないですか?」とストレートに尋ねるのは控えてもらっています。実際に怪しい電話の指示に従っていたとしても、そういう風に聞かれると「そんなわけないじゃないか!」と頑なになる場合があるからです。「なぜご入用なんですか?」などの聞き方でアプローチするようお願いしています。返答はリフォーム代であったりお墓代であったりするのですが、そこからよくよく話を聞いてみたら「やっぱり……詐欺だ!」と判明することがあるんです。そうなると店舗から警察へホットラインで連絡が入ります。

金融機関は警察からの要請で質問をしてくれています。高額の引き落としには必ずお声がけ。この協力により未然に詐欺被害を防げたケースは多く、たいへんありがたいことです。

 

 

 

 

──金融機関やコンビニでは警察からの協力要請で声掛けが入るのですね。一般市民の声かけも犯罪抑止の力になっているということですが、どんな場面に遭遇したら声かけをするのがよいでしょう。

 

高齢者の方が携帯電話やメモを片手にATMを操作していたら、犯罪に巻き込まれている可能性が極めて高いと言えます。ATMの場所がわからなくてコンビニの店内をウロウロしているようでしたら、注意して見守っておくとよいですね。

確実に犯罪を防ぐなら、その場で振り込みをとどめさせるのが一番。声かけのポイントは『シンプルにわかりやすく』です。「何かお困りですか?」などとソフトに声をかけるとよいかと思います。

しかし、初対面で声かけをするのはなかなか難しいですよね。ですので不審な行動を見かけたら110番をしていただいて大丈夫です! できればATMを操作している方にお声がけをしてください。

声かけの協力については警視庁は最近、動画での喚起を始めました。「みんなで詐欺を防ごう」という意識を持ってもらえたらと思い、動画もシリーズ化しているんですよ。

 

 

庁「みんなでSTOP! 特殊詐欺 にゃんこシリーズ第二弾(にゃんこVS ATM)」

 

 

庁「付金詐欺増中!」でも積極的な声かけを呼びかけています。

 

 

最近の通報では「高齢者と若者が小包の手渡しをしている。おかしい!」という内容がありました。

詐欺の認知件数は増えていますが、こういった皆さんの行動と協力のおかげで未然防止も増えているんです。

 

──なるほど! 私たち市民も未然防止の力になれるんですね。……ところで「みんなでSTOP! 特殊詐欺」動画なのですが、にゃんこ(猫)も出ていましたよね?

 

そうなんですよ! おとぎ話シリーズというのもありまして。

 

──さきほどのシンデレラですね。この動画シリーズは一体……? 気になる真相は次回インタビューで紹介します!

 

 

警戒心を強めながら犯行を重ねる詐欺グループ。一方で金融機関やコンビニでは声かけによる未然防止が増えています。さらには一般の方の協力もあり「みんなで詐欺を防ぐ」行動が実りをみせています。あなたの一声が誰かを犯罪から守るかもしれません。そのために必要な知識や心の準備をするためにも、警視庁のHPやtwitterで学んでみてはいかがでしょう。次回インタビューでは警視庁が実践中の「特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京」や困ったときの相談窓口などより具体的な防犯対策についてお話しを伺います。

 

 

写真:田形千紘     文:鈴木舞

 

 

 

 

私は詐欺に引っかからない! そんな確証バイアスが最も危険! 警視庁のオレオレ詐欺対策最前線!

 

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
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PROFILE

警視庁 犯罪抑止対策本部

警視庁犯罪抑止対策本部
山上嘉人 警視

警視庁犯罪抑止対策本部
三木卓也 警部補

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