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注目度急上昇中!警視庁・防災ツイッターが今面白い! 警視庁災害対策課インタビュー第1回。

 

 

警視庁警備部・災害対策課のツイッターをご存知ですか?災害発生を想定し、いざという時に役立つ防災情報を発信しています。警視庁?災害対策?そう言われるとつい身構えてしまいそうですが、その実態は……防災情報をユニークに扱った、クスリと笑わせてくれる投稿もあるではありませんか!どこかゆるっとしつつも、さすが防災のプロフェッショナル。その情報の信頼度は確固たるもの。

今回は災害対策課・ツイッター隊のメンバーの紹介や、ツイッター作戦開始からフォロワー数70万越えを突破した現在までの歩みに迫ります。

 

 

――本日は3名の災害対策課の方々にお話しを伺います。みなさん、日々の業務はそれぞれ担当が違うということですが?

 

☆警視庁警備部 災害対策課 課長代理 山下警視

災害対策課の業務は大きく分けると二つあります。ひとつは災害対策の警備実施に関する業務で、事案を想定した警備計画の策定や実際に災害が起きたときに機動隊を派遣して救助活動を行うほか、警察庁と連携して災害救助部隊を東京都以外の被災地に派遣する業務を担当しています。我々の警視庁は東京都を管轄する警察ですが、警察庁は国の機関。災害発生時は、警視庁と警察庁が連携して対応をしています。

もうひとつは地域防災。住民のみなさん一人ひとりの「防災力」を高める施策を行っています。ツイッターでの防災情報発信も、この地域防災に含まれます。

私は災害対策課の庶務担当で、広報も担当するなど業務は幅が広いですね。

 

 

 

 

☆警視庁警備部 災害対策課 災害対策管理係主査 村田警部

災害対策管理係の中で、「警視庁大規模災害対策委員会」という、副総監が委員長を務め、警視庁がどういった災害対策を進めていくかを検討していく組織の事務局のほか、ツイッターの運用や災害警備に関するシステムを担当しています。

災害警備システムは、映像や音声に関する業務です。災害発生時には現場から被害状況についての映像や部隊の活動状況を知らせる無線が届きます。災害というとシステムとは無縁のイメージをお持ちかもしれませんが、実際には現場から映像や音声を送ってもらい、それらをもとに本部が指揮を行っています。

 

 

 

 

☆災害対策管理係 地域防災係 横井警部補

地域防災係では警察署と連携をとりながら防災の施策を行っていまして、地域住民のみなさんと接する機会が多いですね。たとえば地域のコミュニティセンターでの防災講話。警察署から地域防災係へ依頼が来て、私たちが住民のみなさんにお話をするんです。講話の内容は、「自助・共助」に関すること等です。東京都と協力して防災展を行うこともあります。

講話で一番よくお伝えしているのは、「自助・共助」というキーワード。「自助」自らが自分の生命を守ってこそ、「共助」共に助け合うことができるということですね。防災は自分の力だけでは成り立ちません。何か起きた場合は誰かと連絡を取り合ってください。隣近所同士の連携、みんなで助け合うことが、自分の身や誰かを守ることに繋がります。

 

 

 

――災害警備と地域防災。二本柱を軸としつつ、住民の安全のため多岐に渡る業務に携わっているようです。その業務のなかでも異彩を放っているのが、災害対策課のツイッター。身の回りの日用品が災害グッズに早変わりするテクニックや、乾パンレシピの投稿など、役に立つのにクスリと笑えるツイートに注目が集まっています。公式ツイッターを始めようと考えたのはなぜでしょう?

 

 

 

 

平成23年に発生した3.11、東日本大震災がきっかけでした。あの大災害の後、警視庁として災害対策を進めていくなかで、「情報発信の重要性」が課題のひとつとして浮かびました。

例えば、平成28年4月の熊本地震の際には、ネット上ではかなりの数の未確認情報が溢れていました。たとえば「動物園からライオンが脱走した」というデマ。そういった未確認情報が出回ってしまうと、収集がつかなくなり混乱に陥りがちなものです。

情報発信とは一体なんだろう……と考えたとき、災害が起きた直後のみを対象期間とするのではなく、災害発生前からの地道で正確な情報発信が必要だという考えに至りました。普段の日常でどんなことに注意をすればいいのか、どういった備えをすればいいのか。そういった疑問へのヒントを日々発信していきたいと思ったのです。

デマに対する効果も期待しています。今後に大災害が発生した場合、警視庁の災害対策課というアカウントを以て「そういった情報は確認できていません」という一報を発信することで、混乱を鎮静したいですね。

その伝達・発信手段として、拡散力の非常に高いツイッターが効果的であろうと考え、平成25年の1月から公式アカウントによる投稿を開始しました。

 

 

※公式ツイッターを開始した平成25年1月の投稿一覧がこちらです。

https://goo.gl/Lf9CiP

 

 

――なんだか初々しい……!しかしこの頃から最近まで、変わらないのがツイートの親しみやすさですね。ツイッターに携わるメンバーについて教えていただけますか。

 

あの頃の投稿は、写真付きの投稿が少なかったみたいですね。当初、ツイッターに携わっていた課員は数名程度でした。

まず、上の方から「ツイッターでの情報発信をしてみてはどうか?」という提案が下りてきたのが始まりです。その後、課の担当者がツイッター社に相談するなど一歩ずつ進んできました。それまでは災害対策に関する情報発信手段といえば、警視庁のホームページや小冊子等で、情報発信手段なかなか多くはありませんでしたね。

開始当時も今も、ツイッター投稿はいくつかある通常業務のひとつとして、災害対策課の課員が行っています。ツイッターに携わっている課員は現在25名ほど。投稿は平日一日につき1件を基本としていますので、大体一か月に一度回ってくるローテーションです。女性もいれば男性もいますし、年代もばらけています。料理好き、釣りが好きな人、お子さんがいる人……。課員はみなバリエーション豊かでして、そのおかげか個性あるツイートが投稿されていますね。

 

 

 

 

――年代、ライフスタイル、性別もばらばらだという災害対策課ツイッター隊。いきなりツイッターを始めることになって、戸惑いもあったのでは?

 

初期メンバーは、SNSに慣れていたというわけではありませんでした。みんな、ツイッター初心者でしたね(笑)。特に警察官はプライベートでSNSをしている人というのがあまりいないんですよ。SNSで職務内容を発信することは当然できませんから、本当に不慣れなことばかりでした。「災害対策課としてツイッターを運用するぞ」というスタート地点に立ち、さてどうしようかと。

災害対策課がツイッター配信を始めて5年になりますが、メンバーの移り変わりも起きています。警察官ですから、異動は付きものなのです。新しく災害対策課にやってきた課員はというと、「えっ、ツイッター……?えっ、やるんですか?どうすれば?」と面食らっています。それでも、過去の投稿を遡って読んでみたり、信頼できる防災情報を学んだり、地域の皆さんに役立つ情報発信をしようと頑張ってくれています。

 

 

 

 

――どこかほのぼのとした個性豊かなツイートが特徴のひとつですが、投稿にまつわる課内ルールは設けられていますか?

 

大原則としては、防災情報を発信することです。がっちりとしたルールはありませんので、そこはゆるい雰囲気があるかもしれません。そのおかげで課員の自然体なところがツイートに個性として出ているようです。内容が堅くなりすぎないように、という意識もあります。国民の皆さんの心に届きやすい災害情報を発信していきたいというのは課員共通の想いです。

信頼できる防災情報を発信するためには、まず自分たちが正確な情報をキャッチしていなければなりません。ツイッターを始める以前と以後とで違うのが、我々自身の防災意識がとても強くなっていること。ツイートネタを探しているといいますか、「あっ、これツイッターに使える!」という情報を得るために、どんどん防災について勉強するようになりました。なかには、無理やり災害に結び付けたようなネタもありますが(笑)、災害にまったく関係ないツイートはありませんよ!

 

 

 

 

――フォロワー数が70万到達間近となりました(2018年4月中旬の取材時点)。ここまでフォロワーが増えるのはなかなか珍しいことですね。フォロワー数が同じくらいというと、稲垣吾郎さんや読売新聞のツイッターです。

 

昨年の一年間でかなりの数が増えました。平成29年1月1日の段階でフォロワー数はおよそ20万でしたが、平成30年1月1日には65万。一年間で45万ほど増えたことになります。

昨年は新聞や雑誌、テレビ、インターネットなど各種メディアに災害対策課のツイッターを取り上げていただきましたので、関心を集めたのかなと思います。2017年は7月の九州北部豪雨や9月のメキシコ地震が発生し、国民のみなさんの防災意識が高まったように感じます。

……手前味噌で恐縮ですが、我々のツイート内容がユニークだという声もいただいており、ありがたいことです。内容が堅くなりすぎないように意識していますが、だからといってカジュアルさを狙っているわけではないんです。根が真面目な課員のツイートはやはり真面目ですし、それが個性としてツイートに表れていますね。

時々、「こういった情報を加えたら?」といったアドバイスを上司や同僚からもらって、それを投稿に活かすことはあるようです。ですが基本的には実際に投稿する課員が自分で考えた防災情報がそのまま発信されていると考えていただければと思います。

 

 

 

 

――投稿ルールはゆるっと、しかし内容は誠実に。ユニークなツイッターが生まれる訳が少しづつわかってきました。約25名の課員のみなさんで、どのように投稿を分担していますか?

 

ひと月前に次の一か月の配信予定表を作成し、予定表を課員に渡すんですけれども、みんな「来たか~!!」という感じで受け取っています。

ツイッターを初めて5年が経ち、投稿数も重ねてきていますので、内容が過去の投稿とバッティングしてしまうことはあります。一生懸命考えてきてくれたんですが、そういう場合は軌道修正してもらっていますね。みんな苦心して考えていますし、防災に関する情報をキャッチするため、常にアンテナを張っているような状態です。

順番はローテーションですので、祝祭日やイベント日に当たるということもあります。3月14日の配信も、ホワイトデーにちなんで一捻りしていましたね。そういったイベントのある日に当たってしまった課員は、工夫して投稿内容を考えたりもしているようです。

 

 

 

――防災活動が日常に溶け込んでいるような、ほのぼのとしたツイートも多いですが、課員の皆さんの人柄によるものだったんですね。

 

人柄や趣味などが現れてきますね。課員にも得意分野がありまして。こだわっている者は「乾パンシリーズ」をず~っと投稿していたり(笑)。歴史探訪のように昔の言い伝えと防災を紐づけてみたり。読者に興味を持ってもらえるような工夫をしています。自分以外の投稿を読んで、「そういうことがあったの!」と、私たち自身の目から鱗が落ちることもあるんですよ。

 

 

 

 

――シリーズと聞くと、追いたくなるのが人の性。災害対策課のみなさんの協力により、反響を呼んだツイート一覧を拝見させていただくことができました。そのなかから災害対策課の方々の個性が光るツイートを一部、MOC編集部がピックアップしました(ツイート概要(投稿年/月/日))

 

★食べ物シリーズの名投稿!?

水でカップ麺(29/8/21)

 

 

水漬けパスタ(29/1/17)

 

 

期限切れクラッカーでハンバーグ(30/1/25)

 

 

★防災から体のツボまで知識を網羅

カイロの効果的な貼り方(30/1/14)

 

 

★家族で防災、防災で家族愛

簡単な毛布のたたみ方(29/11/5)

 

 

「反響大!防災ツイートベスト10」は、インタビュー第二回にて発表します!

 

ピシッと伸びた背筋と真っ直ぐな視線。慣れないツイッターにも実直に取り組む災害対策課のみなさんの姿に、益々の頼りがいを感じました。140字のツイートに込められた防災情報は、ユニークだからこそ様々な人間が暮らす現代社会に響くのでしょう。次回インタビューでは、「反響大!防災ツイートベスト10」を発表。抑えておきたい防災ツイートを是非チェックしてくだ

 

 

写真:田形千紘     文:鈴木舞

 

 

 

 

ためになる!試したい!教えたい!防災Tweet ベスト10! 警視庁災害対策課インタビュー第2回。

3.11から七年。防災ツイッターを通して考えたい私たちの「防災力」。警視庁災害対策課インタビュー第3回。

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
人生100年時代を生きる、
大人のためのマガジンMOC(モック)
Moment Of Choice-MOC.STYLE

 

PROFILE

警視庁 災害対策課

山下桂一警視
1963年東京都生まれ。1982年警視庁入庁。青梅署警備課長、第四機動隊副隊長、警察庁長官官房国際課課長補佐を経て、2016年2月より現職。入庁以来、主に警備警察に従事。

村田尚徳警部
1974年茨城県生まれ。2003年警視庁入庁。警察署、機動隊などを経て、2017年4月より現職。熊本地震時、現地で災害支援活動に従事。

横井吾朗警部補
1976年神奈川県生まれ。2001年警視庁入庁。警察署、機動隊、警察学校教官などを経て、2017年11月より現職。主に広報啓発活動に従事。

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