株式会社GoodServiceは、 全国60歳以上の男女を対象に「新型コロナウイルスと心の変化」に関する調査を実施した。
緊急事態宣言が解除されたとは言えど、 まだまだ感染リスクを心配している方も多い。
今回、調査によって感染のリスクに脅かされた高齢者の心の内側に迫った。
全国で緊急事態宣言が解除されて約1か月が経ちましたが、 各地ではまだまだ第2波、 第3波の懸念が高まっている。
特に、 高齢者や基礎疾患のある方では重症化するリスクが高いことも報告されているため、 高齢の方は、 感染対策に敏感になっているでしょう。
(参考:「厚生労働省」 )
緊急事態宣言が解除されたとは言えど、 まだまだ感染リスクを心配している方も多い。
「もし、 万が一のことが起きたら…」
と思うのは、 高齢の方ご自身だけでなく、 高齢の親を持つ方も不安な日々を過ごしているのではないか?
感染のリスクに脅かされた高齢者は、 自粛期間中にどのように感じていたか?
そこで今回、 株式会社Good Service は、 全国60歳以上の男女を対象に 「新型コロナウイルスと心の変化」に関する調査 を実施した。
自粛期間中の高齢者の実態!
はじめに、 高齢者が緊急事態宣言発令中にどのように過ごしていたのかを聞いてみた。

「緊急事態宣言の発令中は何をしていましたか?」と質問した。
『テレビ鑑賞や読書(48.9%)』 と回答した方が最も多い。
『軽い運動(散歩など)(17.9%)』。
『趣味を楽しんでいた(17.3%)』。
『室内ででできる運動(5.3%)』。
『子どもや孫とテレビ電話(0.9%)』 と続いた。
外出自粛要請が出ているとは言え、 毎日家にいるのは飽きてしまいますよね。
特に、 高齢の方は長い間外に出ずに体を動かさないでいると、 体力の低下が心配になってしまうでしょう。
しかし、 外に出るのは感染のリスクもあります。
では、 どのようなことに気を付けていたのか?
「緊急事態宣言の発令中はどのようなことに気を付けていましたか?」と質問した。
『不要不急の外出を控えること(54.4%)』 。
『3密(密閉・密集・密接)を避けること(27.1%)』。
『体がなまらない様に適度に運動すること(8.7%)』。
『免疫力が低下しない様にバランスの良い食事(6.8%)』。
『電話などでコミュニケーションをとること(1.5%)』。
高齢者の感染は、 重症化してしまうリスクがある。
なるべく、 感染しないように、 且つ体を動かすことも意識している方が多いようだ。
今も誰とも会えていない!?高齢者のコミュニケーション事情
では、 緊急事態宣言発令中は、 家族と連絡を取っていたのか?
「家族と連絡を取っていましたか?」と質問したところ、
『一緒に暮らしているので常に取っていた(58.8%)』 。
『メールやLINEなどで連絡を取っていた(19.1%)』。
『定期的に電話やテレビ電話で連絡を取っていた(8.1%)』。
『あまり取っていなかった(7.5%)』『全く取っていなかった(4.7%)』 と続いた。
家族と暮らしている高齢者が多い一方で、 メールやテレビ電話でのやりとりもせず、 全く連絡を取っていなかったという方もいることが分かった。
では、 緊急事態宣言解除後は、 家族や友人との交流をしているのか?
「現在は家族と会ったり、 友人と交流したりしていますか?」と質問。
『早く会いたいが感染が怖いため、 自粛している(50.6%)』 。
『3密を避けながら頻繁に会っている(24.0%)』。
『感染が怖いため、 数回しか会っていない(19.3%)』 と続いた。
会いたい気持ちはあるものの、 感染のリスクがあるため自主的に控えている方が多いよだ。
【他人事ではない!?】新型コロナウイルスで高齢者が恐れていることは
新型コロナウイルスの感染で高齢者の致死率・重症化率が高いことが分かっている。
高齢の方は、 新型コロナウイルスの感染拡大についてどのように感じているのだろうか?
「新型コロナウイルスに関して”怖い”と感じたことは何ですか?(複数回答可)」と質問。
『感染したら周りに迷惑をかけてしまうこと(68.0%)』 。
『高齢者の重症化率が高いこと(59.8%)』『高齢者致死率が高いこと(55.2%)』 と続いた。
感染してしまった場合、 周りの人にも感染しているリスクがあるため迷惑をかけてしまうだけでなく、 高齢者の致死率・重症化率が高いことが分かっているため、 周りが感染してしまうことにも恐怖を感じていたようだ。
万が一のことが起きる可能性もあるため、 感染後についても考えてしまう方が多いことが分かった。
では、 具体的にどういったことに恐怖を感じていたのか?
“怖い”と感じたことを具体的に教えてください
・罹患した場合、 症状が急激に悪化するケースがある(60代/女性/東京都)
・年齢的には重篤になることは覚悟していたし、 延命治療は望まない旨の遺言書を作成した(60代/男性/兵庫県)
・同じくらいの年齢の芸能人が何人か重症化し死んでいること(60代/男性/福岡県)
・有名人も関係なく誰にも看取られず骨となって帰宅すること(60代/男性/宮城県)
・持病持ちのため、 コロナがうつるのがとても怖かった(60代/男性/滋賀県)
同世代の有名人が、 新型コロナウイルスの感染により亡くなってしまったということもあり、 より”死”を身近に感じることが増えたのかもしれない。
さらに、 持病がある方は特に重症化する可能性が高いため、 感染することに恐怖を感じていたようだ。
「もしかしたら自分が…」〇割の高齢者が最悪の事態を想像している!?
先ほどの調査で、 高齢者が新型コロナウイルス感染拡大で何に恐怖を感じているかが分かりましたが、 実際に万が一のことを考えた方はどのくらいいるのだろうか?

「新型コロナウイルスの流行で”死”について考えましたか?」と質問。
4割以上の高齢者が 『考えた(45.4%)』 と回答した。
高齢者の死亡率や同世代の有名人の死を受けて、 “死”を身近に感じるようになったのかもしれない。
では、 そういった不安を誰かに相談できたのでしょうか?
「”死”について考えたことや不安を誰かに相談していましたか?」と質問。
『誰にも相談できなかった(49.4%)』 。
『パートナーに相談していた(35.2%)』。
『子どもに相談していた(7.5%)』。
『友人に相談していた(6.0%)』
『医師に相談していた(1.9%)』。
自分が弱音を言っている姿を見せたくないという思いがあり、 なかなか相談できないのかもしれない。
親世代はこういった不安を抱いていると予想されるため、 定期的に話を聞いてあげるのが良いと思われる。
死の恐怖を感じた高齢者の気持ちとは
では、 “死”を身近に感じた高齢者は、 万が一のことが起きたときについてどのように思っているのだろうか?

「もし自分が亡くなってしまうことについて、 身内に対してどんな気持ちがありますか?」と質問。
『迷惑をかけたくない(66.5%)』 。
『貴重品の整理をしておかないといけない(13.1%)』。
『契約などの整理をしておかないといけない(11.7%)』。
『財産分与について話し合わないといけない(4.5%)』 。
新型コロナウイルスに感染してしまうと、 感染予防のため誰とも面会できず、 万が一重症化してもそのまま会えずに亡くなる状況になってしまうため、 迷惑をかけないためにも死後の対応について考えている方が多いようだ。
では、 今回の新型コロナウイルスの流行で、 どのくらいの高齢者が “生前整理” について考えるようになったのか?
「新型コロナウイルスの流行で”生前整理”を意識するようになりましたか?」と質問したところ、
4割以上の高齢者が 『はい(41.6%)』 と回答した。
「万が一のために…」と意識し始めた方が多いのかもしれません。
実際に、 亡くなった後に遺品の整理で困ってしまうのは残された遺族なので、 子どもから提案してみるのも良いでしょう。
生前整理について親と一緒に話してみませんか?
今回の調査で、 高齢者の自粛期間中の過ごし方や、 新型コロナウイルスの感染拡大をどう思っているかなどを知ることができた。
一緒に暮らしている方もそうでない方も、 自分の親が新型コロナウイルスに対して、 こんなに恐怖感を持っているということに気づかなかった方も多いでしょう。
高齢者の重症化するリスクが高い新型コロナウイルス。
“万が一”のことを考えたときに、 高齢者は「身内の人に迷惑をかけたくない」という思いがあるようだ。
不安が募る今だからこそ、 生前整理について親と一緒に話してみませんか?
調査概要:「新型コロナウイルスと心の変化」に関する調査
【調査日】2020年6月1日(月)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,179人
【調査対象】全国60歳以上の男女
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
編集・構成 MOC(モック)編集部
人生100年時代を楽しむ、
大人の生き方マガジンMOC(モック)
Moment Of Choice-MOC.STYLE