人生100年時代を楽しむ、大人の生き方 Magazine

新型コロナウイルスのワクチンは原価販売で公平な分配を訴える!

 

新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、 Gaviワクチンアライアンス(Gavi)が、 製薬企業と交渉する世界的な仕組みの構築を進めている。

その中で、 各国政府に途上国のためのワクチン調達基金の設立を呼び掛けており、 6月4日のGavi第3次増資会合で発足させる見通しだ。

国境なき医師団(MSF)は、 ワクチンの公平な分配のために、 各国首脳は製薬企業にワクチンの原価販売を促すべきと訴えている。

 

 

「世界の公共財」実現のために

これまで複数の国の首脳が、 新型コロナウイルスのワクチンを「世界の公共財」「人びとのワクチン」などと呼び政治的意欲を示してきたが、 いずれも今後のワクチン調達の具体策に結び付いていない。

20年前に世界の最貧国のワクチン費用を賄うために誕生したGaviの今回の試みは、 効果の期待できるワクチンの量産体制確立と、 途上国にワクチンを提供するための資金調達だ。

ワクチンの公平な分配についての各国合意と、 透明性のある客観的な優先順位の設定についても協議中で、 世界保健機関(WHO)がその枠組みづくりを主導する。

こうした試みの成功は、 各国政府が枠組みに従って、 この公共財を自国中心の利益に優先させられるか否かにかかっている。

MSFのワクチン政策上級顧問ケイト・エルダーは、 「ワクチンの正確な生産コストを把握するため、 各国政府とGaviは、 製薬企業に情報の開示を求めるべきです」と指摘する。

「多額の資金を出せる国だけがワクチンをいち早く入手して自国民を守り、 他の国は置き去りにされるという従来通りのやり方が通用しないことは、 誰もが納得するところでしょう。 各国政府は、 ワクチンが原価販売で世界中の人に等しく届くようにしなければなりません」

世界では各国政府や民間団体などがすでに44億米ドル(約4730億円)余りを製薬企業の新型コロナウイルスのワクチン研究開発に出資してきたが、 ワクチンを世界中の人に負担可能な価格で広く普及させるという前提条件を求めてこなかった。

Gaviが作り上げようとしている今回の基金の目的は、 新ワクチンの生産拡大の原資を募り、 一定の価格に抑えることだが、 製薬会社が手ごろな価格を設定する保証はない。

 

 

「原価」である必要性

Gavi、 ビル&メリンダ・ゲイツ財団、 世界銀行などの構想によって、 2009年に途上国の肺炎ワクチンを確保するために設立された基金は、 製薬企業の課す比較的高額なワクチン価格に苦しみ、 途上国政府には高すぎる費用負担を長期的に強いる結果となった。

15億米ドル(約1612億円)もの資金がファイザー社とグラクソ・スミスクライン社をはじめとする製薬企業に供与されたが、 この取り組みにもかかわらずたびたびワクチン不足が発生。

さらに、 人道援助団体やNGOはこの枠組みの対象外とされたため、 MSFも2017年まではGaviの割引価格でワクチンを調達できず、 長年にわたって世界最低価格の適用を求めていた。

この経験から学ぶべき教訓として、 一度価格が取り決められてしまうと、 Gaviの力と立場では後追いでの引き下げ交渉は望めないため、 当初から原価販売に照準を絞ることが肝心だ。

MSFアクセス・キャンペーンのシドニー・ウォン医師は、 「新型コロナウイルスのワクチンが実用化されても、 世界的な需要がすぐに供給能力を超えてしまうことは明らかです」と話す。

「世界の指導者の多くが、 ワクチンを公共財として認識していることは心強いものの、 自国中心的な考えによってワクチン争奪戦が起きる懸念も大いにあります。 各国政府とGaviは、 まず最前線の保健医療従事者と重症化・死亡リスクの高い患者を優先する、 透明性の高い、 客観的な分配の仕組みを追求すべきです。 MSFは世界各地で、 医薬品の価格が高すぎるために多くの人が病気になったり亡くなったりしてしまう理不尽を目にしてきました。 ワクチンの開発を待ち望みながらも、 そうした先例の二の舞を避けるためにも、 皆が力を合わせ、 政府と市民社会はそれぞれの国が責任を果たすよう動かなければなりません」

 

 

編集・構成 MOC(モック)編集部
人生100年時代を楽しむ、
大人の生き方マガジンMOC(モック)
Moment Of Choice-MOC.STYLE

 

PROFILE

MOC 編集部

大人の生き方Magazine MOC(モック)編集部
芸術・イベント・自治体のニュースから厳選した情報のみをお届けします。

自立と孤立、依存と共存 中村うさぎ連載コラム 〜第1回〜

〜連載第1回〜自立を目指して生きてきたら、いつの間にか孤立していた。依存症に苦しんでたら、共存という新たな道が見えてき…

緊急事態宣言下での意識調査!全国の飲食店の 77.4%が時短営業要請に従う意向!

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言においての、飲食店の対応についてアンケートを行った結果を発表!今回の政府…

ニューノーマル時代に、独身中高年の12%が恋愛観に変化が! 恋愛から遠ざかって…

独身の40~50代男女計192人を対象にコロナ禍の生活についてアンケート調査。 新型コロナウィルスの感染拡大が始まって…

ニューノーマル時代の葬儀とは?喪主経験者400名からリサーチした葬儀の実態・意…

 喪主経験者400名を対象に葬儀の実態、 意識を探る調査を実施。 本調査は1977年より実施し、 「現代葬儀白書」とし…

東日本大震災から10年目の節目になる今年、『Reborn-Art ONLINE…

第3回開催予定となる今年は、 東日本大震災から10年という節目に、 これまで同様に地域の内側からの復興と新たな循環を生…

2021年に取り組む経営課題は何か? 中小業況予測調査を公開!

大阪信用金庫が、第186回中小企業景気動向調査 特別調査を公開2020年 いつまで続くコロナショック:「悪化した」84…